「ノベルティを作りたいけれど、いくら見ておけばいいのか分からない」。
社内で予算を通す必要があるのに、相場が分からないと稟議書が書けない。かといって業者に聞くにも、何を作るか決まっていないと見積もりも出てこない。この堂々巡りで止まっている方、多いと思います。
順序としては、アイテムから決めるのではなく「何人に配るか」から決めるのが正解です。配布数が決まれば1個あたりの上限額が出て、そこから選べるアイテムが自動的に絞られます。
この記事では、予算の組み立て方、予算帯ごとに選ばれているアイテム、そしてロットによる単価の変わり方を整理しました。
ノベルティの予算はどう決める?
「配布数 × 1個あたりの単価」で総額が決まります。逆に総額が先に決まっているなら、配布数で割れば単価の上限が出ます。
シンプルな計算ですが、ここを飛ばしてアイテムから考え始めると、あとで「予算に収まらない」と手戻りが発生します。
配布数 × 単価で総額が決まる
まず配る相手の人数を確定させてください。展示会なら来場見込み数、既存顧客への配布なら顧客リストの件数です。
見込みが読めない場合は、少なめに見積もっておくほうが安全。足りなくなったら追加発注できますが、余った在庫は場所を取り続けます。
そのうえで総予算を配布数で割ります。予算30万円で500個なら、1個あたり600円。この数字が出て初めて、現実的なアイテムの候補が見えてきます。
「誰に配るか」で単価の上限が変わる
同じノベルティでも、渡す相手によって適正な単価はまったく違います。
不特定多数に広く配るなら、1個あたりを抑えて数を確保する。特定の取引先や、購入してくれた人だけに渡すなら、単価を上げて満足度を優先する。この判断が先にあると、アイテム選びで迷いません。
予算に含め忘れやすい費用
見落としがちなのが、本体以外にかかる費用です。
- デザイン費 自社で用意できない場合は外注費が発生する
- 版代・型代 プリント方式によっては初回にまとまった費用がかかる
- 個包装費 1点ずつ袋に入れるなら、その袋代と封入作業費
- 送料 工場から自社へ、さらに配布場所への輸送
特に版代は、少量だと1個あたりへの跳ね返りが大きくなります。「本体価格 × 個数」だけで予算を組むと、実際の見積もりで想定を超えます。
デザインを外注する場合の費用感はグッズデザイン制作の費用相場ガイドにまとめました。
予算帯別・選ばれているアイテム
1個あたりの上限額が決まれば、候補は自然に絞られます。おおまかに3つの帯で考えると整理しやすいです。
単価を抑えて数を配りたいとき
ステッカー、ポストカード、クリアファイル、ボールペン。紙ものと軽量な文具が中心になります。
この帯の強みは、かさばらないので大量に持ち運べること。展示会で来場者全員に配る、通販の同梱物にするといった使い方に向いています。
デザインの再現性も高く、細かいイラストや小さな文字も印刷できます。単価が低いぶん、デザインで差をつけやすい帯でもあります。
一方で、そのまま捨てられてしまう可能性もある帯です。紙ものなら「使い道があるかどうか」を意識してください。メモとして使えるサイズにする、実用的な情報を載せておくといった工夫で、手元に残る確率が変わります。
実用品として使ってもらいたいとき
トートバッグ、タオル、マグカップ、モバイル関連の小物。日常で使ってもらえるアイテムが並びます。
受け取った側が繰り返し使うため、ロゴやブランド名が目に触れる回数が増えます。広告としての費用対効果を考えるなら、この帯が最も効率がいいという見方もできます。
トートバッグは素材で印象が大きく変わるので、選ぶ前にトートバッグ・エコバッグの素材選びを確認しておくと失敗が減ります。
特別感を出したいとき
アパレル、刺繍入りのアイテム、記念品としての雑貨。単価は上がりますが、渡す相手を絞れば総額は抑えられます。
周年記念で取引先に贈る、社内表彰で配る、といった場面ならこの帯が適しています。刺繍を入れると質感が変わり、印刷とは違う高級感が出ます。
アイテムのカテゴリごとの特徴はオリジナルグッズの種類一覧で整理しています。
ロットで単価はどう変わる?
数量が増えるほど1個あたりは安くなります。ただし下がり方は方式によって違い、ある数量から先はほとんど変わらなくなります。
版を使う方式は数量で大きく下がる
シルクスクリーンのように版を作る方式では、版代が固定費としてかかります。
この版代を個数で割るため、数が増えるほど1個あたりの負担が軽くなる。100個と1,000個では、同じ版代でも1個あたりの重みが10倍違います。
逆に言えば、少量では版代の比率が大きくなって割高に感じられます。数十個程度なら、版のいらない方式のほうが総額を抑えられることも多いです。
小ロットなら版不要の方式を選ぶ
DTFプリントやUV印刷は版を作らないため、1個から作れます。数量が少ないときの選択肢です。
ただし、こちらは数量が増えても単価があまり下がりません。「少なくても作れる」ことと「たくさん作れば安い」ことは別だと理解しておいてください。
分岐点は数量とアイテムによって変わります。方式ごとの向き不向きはプリント手法の徹底比較ガイドで比べられます。
追加発注を見越して伝えておく
初回で全量を作るか、様子を見て追加するか。この方針は最初に決めておくと有利に働きます。
追加の可能性を伝えておけば、版を保管してもらえる場合があります。2回目の製版費が不要になれば、そのぶん総額が下がる。
何も伝えずに時間が空くと、版が破棄されて再度製版費がかかることがあります。追加の見込みがあるなら、発注時に必ず相談してください。
配る場面から逆算して選ぶ
同じ予算でも、渡す場面によって「喜ばれるもの」は変わります。持ち帰りやすさと実用性が判断軸です。
展示会・イベントで配る
来場者は複数のブースを回り、荷物が増えていきます。かさばるもの、重いものは敬遠されるのが実情です。
軽くて平たいもの、あるいはその場で使えるものが向いています。ステッカーやクリアファイル、飲み物と一緒に配れる小物などが定番です。
遠方から来る来場者が多いイベントほど、この傾向は強くなります。
既存顧客への周年記念
すでに関係のある相手に贈る場合は、数を絞って単価を上げる設計が取りやすくなります。
実用品で長く使ってもらうか、記念品として形に残すか。相手との関係性で選び分けてください。企業名を大きく入れるより、控えめなロゴのほうが日常使いされやすいという面もあります。
採用・説明会で配る
学生や求職者に配る場合、実用性が効きます。文具やトートバッグなど、そのまま使えるものが好まれる傾向です。
配布数が読みにくい場面でもあるので、余っても次回に回せるデザインにしておくと無駄になりません。年号やイベント名を入れないでおく、という工夫です。
発注前に確認しておく3つのこと
納期、ロゴデータ、保管場所。この3点を先に押さえておくと、進行が止まりません。
納期から逆算する
配布する日が決まっているなら、そこから逆算してスケジュールを組みます。
デザインの確認、試作、本生産、納品。それぞれに時間がかかります。急ぎの案件は特急費用が加算されることもあるため、余裕を持った発注が結果的に安く済みます。
アイテムと数量ごとの目安はオリジナルグッズの納期はどのくらい?にまとめています。
ロゴデータを用意する
企業ロゴを入れる場合、輪郭のはっきりしたベクターデータ(AI形式・SVG形式)があるとスムーズです。
Webサイトから拾った画像や、パワーポイントに貼り付けたロゴでは、拡大したときに粗くなります。制作会社に元データが残っていないか、先に確認しておいてください。
ブランドカラーの指定がある場合は、色番号(DICやPANTONE)も控えておくと再現性が上がります。
納品後の保管場所を決める
意外と忘れられるのがこれ。500個のトートバッグが届いたとき、それを置く場所があるかどうか。
段ボール何箱分になるかは、発注前に確認できます。オフィスに置けないなら、分納してもらう、配布場所へ直送してもらうといった調整が必要です。
置き場所がないという理由で、本来まとめて作れば安くなるものを小分けに発注し、結果的に割高になるケースもあります。保管の制約は、単価に跳ね返る要素として最初から計算に入れておいてください。
イベント会場へ直送する場合は、搬入日と受け取り担当者の指定が必要になることもあります。会場のルールを事前に確認しておくと当日慌てずに済みます。
まとめ|配布数を決めてから単価の上限を出す
ノベルティの予算は、配布数 × 単価で決まります。アイテムから考えるのではなく、「何人に配るか」を先に確定させて、総予算を割って単価の上限を出す。この順番が失敗を防ぎます。
単価が決まれば、選べるアイテムは自然に絞られます。広く配るなら紙もの・小物、実用品として使ってほしいならバッグやタオル、特別感を出したいならアパレルや刺繍。
そして版代・デザイン費・個包装・送料を計算に入れること。本体価格だけで組んだ予算は、実際の見積もりで必ず超えます。
実際に選べるアイテムは商品カタログから確認できます。Printstar glimmer・United Athle・LIFEMAX・TRUSS など、ブランドごとのカタログを掲載しています。
「この予算と配布数なら何が作れる?」という段階でも構いません。お問い合わせで条件をお伝えいただければ、アイテムの候補と概算をご案内します(無料・2営業日以内に返信)。
