プリント手法

Tシャツ小ロット制作の選び方|10枚・30枚・50枚で加工は変わる?

「Tシャツを20枚だけ作りたい」「受注生産で、毎回30枚前後になりそう」。こうした小ロットのご相談は、私たちのところでも年々増えています。

少ない枚数で作るとき、いちばん迷うのが加工方法です。DTF、シルクスクリーン、圧着、刺繍。選択肢が多いうえに、枚数によって向き不向きが入れ替わります。

結論から言うと、小ロットのTシャツは「枚数」と「デザインの色数」の2つで加工を選ぶと迷いません。

この記事では、10枚・30枚・50枚という目安ごとに、どの加工が向いているのかを整理しました。受注生産やチームウェア、イベントTシャツの参考にしてください。

小ロットTシャツの加工は何で決まる?

枚数とデザインの色数の2つでほぼ決まります。枚数が少なく色数が多いほど版のいらない加工が、枚数が多く色数が少ないほど版を使う加工が有利になります。

版が「いる加工」と「いらない加工」

Tシャツの加工は、版を作るかどうかで大きく2つに分かれます。

分類 主な加工 小ロットでの特徴
版がいらない DTFプリント、圧着(カッティング転写) 1枚から作りやすく、枚数による単価の差が小さい
版がいる シルクスクリーン 版代がかかるぶん、少量だと割高。枚数が増えるほど1枚あたりが下がる
データを作る 刺繍 刺繍データの作成費がかかるが、同じデータは繰り返し使える

版代は、枚数に関係なくかかる費用です。10枚でも100枚でも版代は同じなので、枚数が少ないほど1枚あたりの負担が重くなります。

反対に、版のいらない加工は1枚ごとの加工費が中心です。枚数が増えても1枚あたりの金額はあまり下がりませんが、少ない枚数でも極端に高くなることはありません。「少ない枚数に強い加工」と「多い枚数に強い加工」がある、と考えるとわかりやすいと思います。

色数が多いほど版のいらない加工が有利

シルクスクリーンは、色ごとに版を作ります。4色のデザインなら版も4枚。色数が増えるほど、小ロットでは割高になります。

フルカラーのイラストや写真、グラデーションのあるデザインなら、色数に関係なく刷れるDTFプリントが向いています。仕組みはDTFプリントとは?で詳しく解説しています。

色数を数えるときは、ボディの色も意識してください。黒や紺などの濃い色のTシャツに明るい色をのせる場合、下地に白を刷る工程が加わることがあります。デザイン上は1色でも、工程としては2色分になるケースです。

仕上がりの質感でも選ぶ

枚数と色数で候補を絞ったら、最後は仕上がりの質感で選びます。

  • DTFプリント フルカラーを鮮やかに再現。表面に薄い膜がのる
  • シルクスクリーン インクが生地になじみ、発色と耐久性が高い
  • 圧着 くっきりとした単色表現。名前や番号の1枚ずつの変更が得意
  • 刺繍 立体感と高級感。ワンポイントのロゴに向く

同じデザインでも、加工によって印象はかなり変わります。販売するTシャツなら、ブランドの雰囲気に合う質感を選ぶことも大切です。

迷ったときは、実際の加工サンプルを手に取って比べるのがいちばんです。BESTPLAYでも、京都市内の実店舗でサンプルをご覧いただきながら相談できます。

写真では同じように見えても、触ったときの手ざわりや、光に当てたときの見え方は加工ごとに違います。

関連記事: スクラブのロゴ入れの方法と発注時の注意点

10枚前後なら何を選ぶ?

10枚前後なら、DTFプリントか圧着がもっとも選びやすい方法です。版代がかからないため、少ない枚数でも1枚あたりの費用が上がりにくくなります。

フルカラーならDTFプリント

イラストや写真を使ったデザインなら、DTFプリントが第一候補です。色数を気にせずに、1枚から作れます。

受注生産の1回目のように、枚数が読めないときにも向いています。10枚でも15枚でも、1枚あたりの単価が大きく変わりにくいからです。

1枚だけ試作して、色味や仕上がりを確かめてから本番の枚数を発注する、という進め方もしやすい加工です。デザインを少しずつ変えたバリエーションを作りたいときにも、版を作り直す必要がありません。

依頼先を選ぶときのチェックポイントは小ロット対応の工場の選び方にまとめています。

関連記事: dtfプリントを自作する際のメリットと仕組み

名前入れや単色ロゴなら圧着

チームTシャツで1枚ずつ名前や番号を変えたい場合は、圧着(カッティング転写)が得意とする分野です。版がいらないので、1枚ごとに内容が違っても対応できます。

単色〜2色程度のロゴにも向いています。くっきりとした仕上がりで、スポーツウェアにもよく使われる加工です。詳しくはカッティング転写の魅力と耐久性の秘密をご覧ください。

ラメやメタリック、反射素材など、シートの種類が豊富なのも圧着の魅力です。少ない枚数でも、ちょっと特別な表現を取り入れやすい加工といえます。

10枚前後で気をつけたいこと

10枚前後だと、1枚あたりの単価はどうしても大ロットより高くなります。枚数が少ないのに多くの箇所へプリントを入れると、加工費が積み重なって想定より高くなりがちです。

前面と背面の両方に入れるなら、片方をワンポイントにする。プリント箇所を絞るだけでも、費用はかなり変わります。

ボディ選びでも調整できます。厚手のヘビーウェイトは着心地がいい反面、ボディ代が上がります。用途が配布やイベント用なら、標準的な厚みのボディを選ぶと全体の費用を抑えやすくなります。

30枚前後なら何を選ぶ?

30枚前後は、デザインの色数によって選び方が分かれる枚数です。フルカラーならDTFプリント、1〜2色ならシルクスクリーンも候補に入ってきます。

色数が少ないならシルクスクリーンも候補

1色や2色のシンプルなデザインなら、30枚前後からシルクスクリーンも比較の対象になります。版代を30枚で割っても、1枚あたりの負担がそれほど重くならないからです。

シルクスクリーンは、インクが生地にしっかりなじみ、洗濯にも強い加工です。長く着てもらいたいTシャツなら、検討する価値があります。基本はシルクスクリーン印刷とは?で解説しています。

見積もりはDTFと並べて比べる

30枚前後は、DTFとシルクスクリーンのどちらが安くなるか、デザインによって入れ替わりやすい枚数です。

見積もりを取るときは、同じデザインで両方の加工の金額を出してもらうと判断しやすくなります。仕上がりの質感も含めて、比べてみてください。

金額の差がわずかなら、仕上がりの好みや洗濯への強さで選んでかまいません。着る場面をイメージして、「どちらのほうが長く着てもらえそうか」で決めるのもひとつの基準です。

サイズの内訳で注意したいこと

30枚をS・M・L・XLに分けると、1サイズあたりは7〜8枚。サイズごとに加工の手間が変わるわけではありませんが、発注のときには内訳を正確に伝える必要があります。

クラスTシャツやチームウェアのように全員分を作る場合は、サイズの集計ミスに気をつけてください。集め方のコツはクラスTシャツの作り方完全ガイドでも紹介しています。

受注生産で販売する場合も同じです。締切後に注文データからサイズ別の枚数を集計し、そのまま発注できる形にまとめておくと、確認のやりとりが減ります。

50枚前後になると何が変わる?

50枚前後になると、色数の少ないデザインではシルクスクリーンの1枚あたりの費用が下がり、選ぶ理由が増えてきます。同じデザインを繰り返し作るなら、版を保管しておく選択肢も出てきます。

シルクスクリーンが本領を発揮する

版代を50枚で割ると、1枚あたりの負担はかなり小さくなります。1〜3色程度のデザインなら、50枚前後はシルクスクリーンが有利になりやすい枚数です。

発色の鮮やかさと耐久性を両立できるので、イベントのスタッフTシャツやチームの定番ウェアによく選ばれます。

ラメや蓄光といった特殊インクを使えるのも、シルクスクリーンならではの楽しさです。まとまった枚数を作るなら、こうした表現にも挑戦しやすくなります。

フルカラーならDTFのまま、という判断も

色数の多いデザインは、50枚でもDTFプリントのほうが扱いやすいことがあります。シルクスクリーンで多色を刷ると、版の数が増えて費用がかさむからです。

「枚数が増えたらシルクスクリーン」と決めつけず、デザインの色数で判断するのがポイントです。

たとえばフルカラーのイラストを前面に、単色のロゴを背面に入れるデザインなら、前面はDTF、背面はシルクスクリーンと加工を組み合わせる方法もあります。1枚の中で加工を分けられるかどうかは、工場に相談してみてください。

繰り返し作るなら版やデータを残す

受注生産で同じデザインを何度も作る予定なら、版やデータを保管してもらえるかを確認しておきましょう。

2回目以降に版代がかからなければ、それだけで1枚あたりの費用は下がります。

継続して作るTシャツは、1回目の単価だけでなく、2回目以降の費用も含めて加工を選ぶのがおすすめです。

版の保管期間や、保管にかかる費用の有無は工場によって違います。発注の段階で確認しておくと、次回の見積もりで驚くことがありません。

まとめ|枚数と色数を先に決めてから相談する

小ロットのTシャツは、枚数とデザインの色数で加工方法を選ぶと迷いません。

10枚前後ならDTFプリントや圧着、30枚前後は色数によってDTFとシルクスクリーンを比べる、50枚前後で色数が少なければシルクスクリーンが有利。フルカラーのデザインは、枚数にかかわらずDTFが候補になると覚えておくと判断が早くなります。

BESTPLAYでは京都の自社工場で、DTFプリント・シルクプリント・圧着・刺繍などの加工に対応しています。加工ごとの特徴や対応素材は対応可能加工で比べられます。枚数とデザインが決まったら、お問い合わせで「〇〇の加工について相談したい」を選ぶと、複数の加工で見積もりを比べることもできます(2営業日以内に返信)。

BESTPLAY

この記事の監修

有限会社BESTPLAY

1978年創業。マーキング加工のプロフェッショナルとして、シルクスクリーン印刷・刺繍・DTF・インクジェットなど多彩なプリント技法で、スポーツウェア・イベントグッズ・オリジナル商品の制作を手がけています。

CONTACT

オリジナルプリントの
無料相談受付中

「こんなアイテムは作れる?」「費用はどれくらい?」
どんな小さな疑問でもお気軽にご相談ください。

無料で相談する

CATEGORY

カテゴリー

KEYWORDS

話題のキーワード

初心者向け デザイン 小ロット Tシャツ 小ロット ノベルティ プリント技法 受注生産 素材選び ユニフォーム フルカラー DTF 短納期 シルクスクリーン 入稿データ 刺繍 トートバッグ ポロシャツ 昇華プリント 高級感

POPULAR

人気の記事

LATEST

新着記事

erumina - クリエイター支援 erumina - アートプリント erumina - オリジナルグッズ erumina - クリエイターコミュニティ
erumina

クリエイターの作品をグッズ化して販売できる、BESTPLAYの支援コミュニティ

詳しく見る
BESTPLAY.STORE - 実店舗
BESTPLAY.STORE

サンプル確認やオリジナルグッズの相談ができる京都の実店舗

店舗情報を見る