「完売しました、ありがとうございます!」。そう投稿したあとに届く、「買えなかった」「再販はありますか」という声。
うれしい悲鳴ですが、ここでどう動くかで、次の売上もファンとの関係も変わってきます。品切れは、終わりではなく次の販売につなげるきっかけです。
ただ、いざ再販しようとすると、「前回の仕様がわからない」「データがどこにあるかわからない」「工場にまた一から説明しないといけない」と、思った以上に手間がかかることも少なくありません。
この記事では、グッズの再販や追加生産を受注生産で行う方法と、次の生産をスムーズにするための準備をまとめました。
再販と追加生産、何が違う?
再販は「一度売り切ったものを、もう一度販売すること」、追加生産は「足りない分を作り足すこと」です。どちらも、前回と同じものを同じ品質で作れるかどうかが大切になります。
言葉の使い分け
「再販」は、主に販売側の言葉です。完売したグッズを、改めて販売の場に出すことを指します。
「追加生産」は、主に製造側の言葉です。前回と同じ仕様のものを、必要な数だけ作り足すことを指します。チームのユニフォームでメンバーが増えた、店舗が増えて制服が足りなくなった、というケースも追加生産にあたります。
呼び方は違っても、やることの中心は同じ。前回と同じものを、迷わず作れる状態にしておくことです。
再販は「求められている証拠」
「再販してほしい」という声があるということは、そのグッズに確かな需要があるということです。
新しいデザインを一から作るより、実績のあるグッズを再販するほうが、売れる見込みを立てやすい。企画の手間も少なく、デザインや仕様もすでに決まっています。
新作と再販を交互に出すことで、話題づくりと安定した売上を両立しているブランドもあります。
再販を重ねるうちに、そのグッズがブランドの「顔」になっていくこともあります。何度も求められるアイテムは、定番として育てていく価値があります。
「限定」との兼ね合い
一方で、「限定」として販売したグッズを再販する場合は注意が必要です。
「今回限り」と告知したグッズを同じ仕様で再販すると、最初に買ってくれた人の信頼を損ねるおそれがあります。限定品を再び出すなら、カラーを変える、「第2弾」として別の企画にする、といった工夫をしましょう。
再販は受注生産がおすすめ
再販は、受付期間を決めて注文を集める受注生産で行うのがおすすめです。需要の大きさがわからない中で在庫を抱えずにすみ、欲しい人には確実に届けられます。
需要の大きさが読めないから
「再販してほしい」という声がSNSでいくつか届いても、実際に何人が買ってくれるかは、ふたを開けてみないとわかりません。
声の大きさに合わせて多めに作ると、思ったほど売れずに在庫が残ることがあります。受注生産なら、実際に注文した人の数だけ作るので、この心配がありません。
受注生産の仕組みは受注生産グッズとは?でまとめていますが、再販は「すでに仕様が決まっている」ぶん、初回よりずっと始めやすいのが特徴です。
買えなかった人に確実に届く
数量限定で再販すると、また買えなかった人が出てしまうことがあります。二度も買えないと、がっかりさせてしまいますよね。
受注生産で受付期間を設ければ、期間内に注文した人には全員届けられます。「欲しかった人に届いた」という体験は、次の新作にもきっとつながります。
サイズやカラーの追加もしやすい
再販のタイミングは、前回の声を反映させるチャンスでもあります。
「XLがほしかった」「別の色もあればよかった」。こうした声に合わせて、サイズやカラーを追加する。受注生産なら、追加した分の在庫を抱える心配もありません。
追加生産をスムーズにするには?
前回の仕様とデータを、誰が見ても同じものを発注できる形で残しておくことです。これができていれば、再販のたびに一から確認する必要がなくなります。
仕様を記録しておく
初回の発注が終わった時点で、次の項目を記録しておきます。
- ボディ ブランド、型番、カラー、サイズ展開
- 加工 方法(プリント・刺繍など)、位置、サイズ、色番号
- 付属品 タグ、個包装、台紙の仕様
- 発注情報 発注した工場、数量、単価、納期
「前回と同じで」と一言で頼めるかどうかは、この記録があるかどうかで決まります。
データは工場にも保管してもらう
入稿データは、自分の手元だけでなく、工場にも保管してもらえると安心です。パソコンの故障や担当者の交代でデータが見つからない、という事態を防げます。
入稿データの基本は入稿データの作り方ガイドにまとめました。修正を重ねたデータは、最終版がどれか分かるようにファイル名をそろえておくのがコツです。
BESTPLAYでは、加工データや仕様、注文履歴を自社システム「BPNAVI」で一元管理しています。
ボディの廃番に注意する
見落としがちなのが、ボディの廃番やカラーの終了です。前回と同じ型番・同じカラーが、いつまでも手に入るとは限りません。
定番のアイテムほど、代わりのボディの候補を1つ決めておくと安心です。再販の見積もりを取る段階で、同じボディが使えるかも確認しておきましょう。
やむを得ずボディを変える場合は、販売ページにその旨を書いておくと親切です。前回買った人と着心地やサイズ感が少し違っても、事前に伝わっていればトラブルにはなりません。
再販はいつ、どう告知する?
完売直後に「再販を検討中」と伝え、希望の声を集めてから正式に告知するのがおすすめです。熱が冷めないうちに動けるよう、製造の段取りも早めに確認しておきます。
完売直後に「検討中」と伝える
完売のお知らせと一緒に、「再販を検討しています」と一言添えておくと、買えなかった人の気持ちをつなぎとめられます。
このとき、「再販を希望する方はリアクションをお願いします」と呼びかけると、おおよその需要をつかむ材料にもなります。
アンケートフォームで希望のサイズやカラーを聞いておくのも一つの方法です。正式な受付の前に、どのサイズが多く求められているかがわかれば、見積もりの精度も上がります。ただし、リアクションやアンケートの数がそのまま注文数になるとは限りません。あくまで目安として受け止めておきましょう。
熱が冷めないうちに動く
再販までの期間が空きすぎると、「もういいかな」と気持ちが離れてしまいます。完売から1〜2か月以内に再販の受付を始められると理想的です。
そのためには、製造にかかる期間を把握しておくことが欠かせません。一般的な納期の考え方はオリジナルグッズの納期はどのくらい?で紹介しています。
仕様とデータがそろっていれば、見積もりから製造までの時間も短くなります。準備ができているかどうかが、再販のスピードを決めます。
季節もののグッズなら、次のシーズンに間に合わせることも考えておきましょう。夏向けのTシャツを秋に再販しても、動きは鈍くなりがちです。
チームやお店の追加注文も同じ考え方
再販の考え方は、チームのユニフォームや店舗の制服の追加注文にもそのまま使えます。
新しいメンバーが入ったとき、前回と同じ仕様のユニフォームを1枚だけ追加したい。背番号や名前だけを変えて作りたい。こうした追加は、仕様が残っていればすぐに対応できます。背番号・ネームの入れ方はユニフォーム背番号・ネームの入れ方で比べています。
追加生産の手間を減らす体制づくり
追加生産が増えてきたら、仕様の管理から発送までを一か所にまとめる体制を考えるタイミングです。担当者に作業が集中すると、再販のたびに業務が止まりやすくなります。
担当者しかわからない状態をなくす
「あの人に聞かないと、前回の仕様がわからない」。この状態のまま再販が増えていくと、担当者が忙しいときや不在のときに、すべてが止まってしまいます。
仕様とデータを共有の場所にまとめ、誰でも確認できるようにする。これだけで、追加生産のたびに発生していた確認のやりとりがぐっと減ります。
運用の負担が大きくなっているなら、ウェア・グッズ販売の運用が回らなくなる5つの理由も参考にしてみてください。
発送までまとめて任せる
再販のたびに、届いた商品を仕分けて、1件ずつ梱包して、発送する。この作業も、回数が増えるほど負担になります。
製造した工場から、そのままお客様に届けてもらえれば、自分の手元を経由する手間がなくなります。検品や仕分けまで任せられると、発送のミスも減らせます。
追加生産の頻度で体制を見直す
年に1回の再販なら、自分で管理するのも無理のない範囲です。けれど、月に何度も追加生産が発生するようになったら、仕組みごと見直すタイミング。
目安としては、「再販の準備に丸一日以上かかるようになったら」です。その時間を新しい企画に回せたら、ブランドはもっと育っていくはずです。
どこまでを自分で担当して、どこからを任せるのか。追加生産の頻度に合わせて線を引き直すと、企画や販売に使える時間が増えていきます。
まとめ|品切れを次の販売につなげる準備をしておく
再販や追加生産は、そのグッズに確かな需要がある証拠です。受注生産で再販すれば、在庫を抱えずに、欲しい人に確実に届けられます。
スムーズに再販するためには、前回の仕様とデータを、誰でも同じものを発注できる形で残しておくことが何より大切です。ボディの廃番にも気を配りながら、完売直後から次の一手を準備しておきましょう。
BESTPLAYでは、加工データの保管から追加生産、検品・仕分け・1枚単位の個別発送まで一貫して対応しています。加工ごとの特徴は対応可能加工にまとめています。再販や追加生産の進め方を相談したい場合は、お問い合わせで「まずは情報収集がしたい」を選んでください(2営業日以内に返信)。
