飲食店ユニフォームの選び方|開業時に決める素材と枚数と発注の流れ

開業準備の中で、ユニフォームは後回しにされがちです。内装、厨房機器、メニュー開発。優先度の高いものが多すぎて、気づけば開店3週間前、ということも珍しくありません。

ただ、ユニフォームは店の第一印象をつくる要素であり、しかも毎日洗う消耗品でもあるという二面性があります。急いで決めると、たいてい後で買い替えになります。

この記事では、飲食店のユニフォームをどう選び、どのタイミングで手配するかを整理します。開業支援の立場で複数店舗を見ている方にも使える形でまとめました。

飲食店のユニフォームは何から決める?

業態と、洗濯の頻度です。この2つが決まれば、アイテムと素材はほぼ絞れます。

デザインから入ると、あとで実用面と衝突します。

業態で必要なアイテムが変わる

カフェやベーカリーなら、Tシャツにエプロンを重ねる形が定番です。動きやすく、汚れたらエプロンだけ替えられる。

居酒屋や和食店では、シャツや作務衣に寄せると店の雰囲気に合います。フレンチやイタリアンのようにコース提供が中心なら、襟付きのシャツやギャルソンエプロンで格を揃える。客単価と内装のトーンに合わせるのが基本線です。

洗濯頻度から素材を決める

飲食店のユニフォームは、ほぼ毎日洗います。ここが他業種と決定的に違うところです。

綿100%は肌触りが良い一方、乾きが遅く縮みます。ポリエステル混紡なら乾きが早く型崩れしにくい。厨房でスタッフが自宅洗濯するのか、店でまとめて洗うのかによっても答えが変わります。素材ごとの特性はTシャツ素材とオンスの考え方が参考になります。

ホールと厨房で分けるか

同じユニフォームで統一すると管理は楽ですが、求められる機能が違います。

厨房は熱と油、ホールは接客時の見た目。厨房側は汚れが目立ちにくい濃色、ホール側は清潔感のある色、という分け方をする店も多いです。エプロンの色だけ変えて本体は共通にする、という折衷案もよく採られます。

小規模な店では、ホールと厨房を兼務するスタッフも珍しくありません。人数の少ない店ほど、分けずに共通で持たせたほうが運用が回ります。

エプロンはどう選ぶ?

丈と形で選びます。作業内容によって、動きやすさが大きく変わります。

飲食店では最も買い替え頻度の高いアイテムでもあります。

丈の長さで役割が変わる

膝下まであるロング丈は、汚れから守る範囲が広く厨房向きです。腰から下だけのショート丈(ギャルソン)は動きやすく、ホール接客に向きます。

胸当てのあるタイプは、ドリンクを扱う店で重宝します。カウンター越しに動くバーやカフェでは、胸元まで覆えるかどうかが実用面で効いてきます。

紐の付け方も見ておきたいポイントです。首から掛けるタイプは着脱が早い一方、長時間だと首に負担がかかります。たすき掛けや背中で結ぶタイプは、体格を選ばず調整できるので、スタッフの入れ替わりが多い店に向いています。

素材は撥水性と厚みで見る

水を扱う店では、撥水加工のあるものが長持ちします。ただし通気性は落ちるので、厨房が高温になる店では蒸れやすい。

薄すぎる生地は油染みが裏まで抜けます。安価なエプロンを短期間で買い替え続けるより、厚手のものを長く使うほうが結果的に安くつくことが多いです。

名入れは刺繍が向く

エプロンは洗濯回数が多いため、プリントより刺繍のほうが持ちます。糸で縫っているので、剥がれる心配がありません。

店名やロゴを胸元に入れるのが定番です。加工方法ごとの耐久性の違いはプリント手法の比較ガイドにまとめています。

刺繍は色数が増えるほど工賃が上がります。ロゴが多色なら、単色に置き換えたシンプルな版を別に作っておくと、ユニフォーム向けのコストが抑えられます。

何枚用意すればいい?

1人あたり3枚が目安です。着用中、洗濯中、予備。この3枚があれば回ります。

店の規模と洗濯サイクルで調整します。

1人3枚が基本になる理由

毎日洗う前提だと、着ている1枚と洗っている1枚で最低2枚。ここに、乾かなかったときや汚れがひどいときの予備で1枚。

週に何度もシフトに入るスタッフなら3枚、月に数回のアルバイトなら2枚でも足ります。全員一律にすると、余るところと足りないところが出ます。

店でまとめて洗う運用なら、個人に紐づけず共有在庫として持つ方法もあります。この場合はサイズごとの総枚数で管理するので、1人あたりで数えるより少なく収まることが多いです。

アルバイトの入れ替わりを見込む

飲食店はスタッフの入れ替わりが前提の業態です。開業時にぴったりの枚数だけ作ると、3か月後に足りなくなります。

サイズごとに1枚から2枚の予備を持っておくと、採用のたびに発注しなくて済みます。特にMとLは出入りが多いので、厚めに確保しておくと運用が楽になります。

サイズ展開の考え方

S・M・L・XLの4展開が基本です。飲食店は学生から中高年まで幅広い年齢層が働くため、想定より上下のサイズが必要になることがあります。

エプロンは紐で調整できるためサイズ展開を絞れますが、シャツやTシャツは実寸で選ぶ必要があります。

同じLでもブランドによって着丈と身幅が違います。開業前にサンプルを1枚取り寄せて、実際に着てもらってから本発注するのが確実です。ここを省くと、納品後に「思ったより小さい」という話が必ず出ます。

開業までにいつ発注すればいい?

開店の1か月前には発注を終えておくのが安全です。内装工事の遅れに引きずられないよう、独立して進めるのがコツです。

前後の工程を整理します。

逆算スケジュール

時期 やること
開店2か月前 業態に合わせてアイテムと素材を決定
開店6週間前 ロゴ確定・サイズ集計
開店1か月前 発注・入稿
開店2週間前 納品・検品
開店1週間前 スタッフへ配布・研修で着用

研修期間に着てもらうと、動きにくさや丈の問題がその場で分かります。開店当日に初めて袖を通す状態は避けたいところです。

内装工事が遅れても、ユニフォームの手配は止めないほうが安全です。工事の遅れに合わせて発注を後ろ倒しにすると、開店日が動かなかったときに間に合わなくなります。

ロゴが決まらないと動けない

ユニフォームの発注が遅れる原因は、たいていロゴの確定待ちです。看板やメニュー、名刺と共通のロゴを使うため、そこが決まるまで着手できません。

ロゴ制作を外部に頼んでいる場合は、納品形式も確認しておいてください。加工に使えるデータ形式でないと、作り直しが必要になります。詳しくは入稿データの作り方にまとめました。

画像として書き出されたロゴしか手元にない、というケースもよくあります。この場合は刺繍用のデータを一から起こす工程が入るため、その分の日数を余分に見ておく必要があります。看板やメニューと同時に進めているなら、ロゴ確定の期日だけ先に切っておくと全体が動きます。

短納期で間に合わせるには

日程が詰まっている場合でも、在庫のあるボディを使い、加工方法を絞れば対応できることがあります。

逆に、特注の色や形を指定すると、そこで時間を使います。開店日が動かせないなら、既製のボディから選んで加工だけオリジナルにするのが現実的な進め方です。

開業支援で複数店舗を見るときの注意点

追加発注の導線と、店舗ごとの仕様管理が課題になります。1店舗ずつ個別に対応していると、店舗数に比例して工数が増えます。

仕組みで解決できる部分があります。

追加発注のたびに本部を経由しない

開業後、スタッフの入れ替わりで買い足しが発生します。このとき、店舗から本部、本部から発注先、という経路をたどると連絡だけで数日かかります。

店舗の担当者が直接発注できる仕組みがあると、この往復がなくなります。BESTPLAYでは、登録済みのクライアント向けにクローズドEC「BP Navi」を用意しており、各店舗から直接発注して現場へ直送する運用に対応しています。

店舗ごとの仕様を記録しておく

同じチェーンでも、店舗によってロゴの位置やサイズ構成が違うことがあります。

前回と同じものを、と言われたときに再現できるよう、仕様を記録しておく体制が要ります。データを預けて保管してもらえるかは、発注先を選ぶ際の確認項目に入れておくとよいでしょう。

ボディの品番も記録対象です。同じ品番が廃番になると、次の買い足しで色や形が変わってしまう。廃番時に近い代替品を提案してもらえるかどうかも、確認しておくと後で困りません。

支援先に提案するときの材料

開業支援の立場でユニフォームを提案するなら、単価だけでなく運用まで含めて示すと通りやすくなります。

初期の枚数、買い足しの単価、追加発注にかかる日数。この3点が揃っていれば、オーナー側も判断しやすい。コスト管理の考え方はグッズのコスト管理と見積もり比較も参考になります。

まとめ

飲食店のユニフォームは、業態と洗濯頻度から決めると外しません。カフェならTシャツとエプロン、和食なら作務衣やシャツ、コース中心なら襟付きへ。素材は毎日洗う前提でポリエステル混紡が扱いやすくなります。

枚数は1人3枚が基本。アルバイトの入れ替わりを見込んで、サイズごとに予備を持っておくと運用が安定します。発注は開店1か月前まで、ロゴの確定が全体のボトルネックになりやすいので早めに押さえておきましょう。

複数店舗を支援する立場なら、追加発注の導線を最初に設計しておくと、店舗が増えても工数が増えません。

BESTPLAYは京都の自社工場で、刺繍・シルクプリント・DTF・昇華転写などの加工を内製しています。1店舗あたり10枚から30枚といった小ロットも国内生産で対応可能です。加工の種類と保有設備は対応可能加工に掲載しています。

開業支援先へのユニフォーム提案や、多店舗の発注体制についても相談を受け付けています。お問い合わせでは種別に「まずは情報収集がしたい」を選べます(2営業日以内に返信)。

BESTPLAY

この記事の監修

有限会社BESTPLAY

1978年創業。マーキング加工のプロフェッショナルとして、シルクスクリーン印刷・刺繍・DTF・インクジェットなど多彩なプリント技法で、スポーツウェア・イベントグッズ・オリジナル商品の制作を手がけています。

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