素材・アイテム

パーカー素材の選び方|裏毛と裏起毛の違い・オンスの目安まで解説

秋が深まってくると、パーカーの相談が一気に増えます。チームのウェア、サークルのおそろい、物販用のグッズ。用途はばらばらですが、つまずくポイントはだいたい同じ。

「生地の種類が多すぎて、どれを選べばいいのか分からない」。これに尽きます。

Tシャツなら厚みくらいしか選択肢がないのに、パーカーは裏毛だ裏起毛だ、オンスだ混率だと一気に項目が増える。混乱して当然です。

ただ、決める順番さえ間違えなければ、候補は3つくらいまで絞れます。この記事では、その順番に沿って素材の選び方を整理していきます。

パーカーの素材はどう選ぶ?

「裏毛か裏起毛か」を先に決めてください。ここで生地の系統が決まり、残りの選択肢が半分になります。

そのあとで厚み、最後に混率。この3段階で進めると、行ったり来たりせずに済みます。

まず裏毛か裏起毛かを決める

パーカーの生地は、表側はどれも似た見た目です。違いが出るのは裏側。

裏毛はタオルの裏側のような細かいループが並んだ状態。裏起毛はそのループを毛羽立たせて、ふわふわの面にしたものです。

秋口から着るなら裏毛、真冬に外で着るなら裏起毛。ざっくりこの分け方で外しません。

厚み(オンス)の目安を押さえる

生地の重さはオンス(oz)で表されます。数字が大きいほど厚手で、しっかりした見た目に。

パーカーの場合、8oz前後が薄手、10oz前後が標準、12oz以上がヘビーウェイトという感覚で見ておくと分かりやすいです。

物販や記念品なら10oz前後が無難。着る人の体格や気温がばらつく場面でも、極端に暑かったり寒かったりしません。オンスの考え方そのものはTシャツ素材とオンスの選び方でも詳しく触れています。

薄手を選ぶなら、透けと生地の落ち感を確認してください。8oz前後だと軽くて着回しやすい反面、腰まわりがへたっとした印象になりやすい。逆に12ozを超えると、箱に詰めたときの重さが一気に増します。

送料は重量で変わります。物販用に100枚単位で作るなら、オンスの差がそのまま配送コストに跳ね返る点も頭の片隅に置いておくと安心です。

混率は最後でいい

綿100%か、綿とポリエステルの混紡か。ここは着心地と扱いやすさのバランスの話なので、用途が固まってからで間に合います。

先に混率から入ると、そもそも裏毛か裏起毛かで選べる混率が違うので、二度手間になりがちです。

裏毛と裏起毛はどう違う?

裏側の起毛加工の有無が違います。同じ厚みでも、裏起毛のほうが暖かく感じられ、裏毛のほうがすっきり着られます。

見た目はほぼ同じなので、カタログの写真だけだと判断がつきません。触れないときは表記で見分けてください。

裏毛はループが並んだ状態

裏毛は英語でフレンチテリーと呼ばれる編み方。糸のループがそのまま残っています。

通気性があるので、着ていて蒸れにくい。春・秋はもちろん、暖房の効いた室内で過ごす冬にも使いやすいのが裏毛です。

型崩れしにくく、洗濯を繰り返してもへたりにくい。長く使ってほしい記念品には向いています。

もうひとつ、裏毛は季節をまたいで着られるのが利点。10月に配ったウェアを翌年の春まで使ってもらえるので、着用機会を稼ぎたいノベルティとも相性がいいです。

裏起毛はループを毛羽立たせたもの

裏起毛は、ループを機械で掻き起こして毛足を作ったもの。空気の層ができるぶん、体温を逃がしません。

肌に当たる面がやわらかいので、着た瞬間の「あったかい」が分かりやすい。冬のイベントで配るウェアや、屋外での活動が多いチームで選ばれています。

弱点もあります。洗濯を繰り返すと毛が寝てしまい、買ったときのふわふわ感は徐々に失われます。それと、毛が抜けて内側に着た服に付くことも。白いインナーを着る人が多い場面では、伝えておいたほうが親切です。

着るシーンから逆算する

迷ったら、そのウェアを着ている場面を思い浮かべてみてください。

体育館やグラウンドで動き回るなら裏毛。応援席でじっとしているなら裏起毛。文化祭のような屋内外を行き来する場面なら、汗をかいても不快になりにくい裏毛が扱いやすいです。

混率で着心地はどう変わる?

綿の割合が高いほど肌ざわりがよく、ポリエステルの割合が高いほど乾きやすく縮みにくくなります。どちらが上ということはなく、使い方次第。

パーカーの場合、綿100%と綿ポリ混紡の2つがほぼすべてです。

綿100%はふっくら、でも縮む

綿100%は吸湿性が高く、肌に触れたときの感じがやわらかい。着込むほど風合いが出てくるのも綿ならでは。

ただ、洗うと縮みます。乾燥機にかけると一段と縮むので、サイズを1つ上げて選ぶ人もいるくらい。乾くのも遅めです。

綿ポリ混紡が定番な理由

綿とポリエステルを混ぜた生地は、綿の風合いを残しつつ縮みと乾きの弱点を補えます。団体で作るウェアの多くがこの構成です。

ポリエステルが入ると型崩れもしにくくなる。洗濯の仕方が人によってばらばらになる団体ウェアほど、混紡の恩恵は大きいと感じています。

以前、部活動のパーカーを綿100%で作ったチームから「サイズがまちまちになってしまった」と相談を受けたことがあります。全員が同じように洗うわけではないので、縮み方に差が出たわけです。それ以来、団体ものでは混紡を先に案内するようにしています。

素材ごとの特徴を表で確認

素材構成 着心地 縮みにくさ 乾きやすさ 向いている用途
綿100% ふっくら柔らかい 縮みやすい 遅い 個人用・物販グッズ
綿多めの混紡 綿に近い 比較的強い ふつう 団体ウェア全般
ポリエステル多め ややさらり 強い 速い スポーツ・屋外活動

表の「縮みにくさ」の列は、団体ウェアを作るときに一番効いてくる項目です。人数が増えるほど洗い方のばらつきも大きくなるので、ここを妥協すると後々の苦情につながります。

同じ「素材選び」の考え方は他のアイテムにも通じます。襟付きが候補にあるならポロシャツ素材の選び方もあわせてどうぞ。

実際のボディは商品カタログから Printstar glimmer・United Athle・LIFEMAX・TRUSS の各カタログを確認できます。同じ10ozでもブランドによってシルエットや肉感が違うので、候補を2〜3点に絞ってから加工方法を決めると進めやすいです。

プリントとの相性は素材で変わる?

変わります。とくに裏起毛やポリエステル高配合の生地は、加工方法によって仕上がりに差が出ます。

生地を決めてから加工を選ぶほうが、手戻りが少なく済みます。

表面の毛羽立ちが仕上がりを左右する

パーカーの表面は、Tシャツより毛羽が立っています。この毛羽にインクが沈むと、細い線がかすれたり、色がぼやけたりする。

デザインに1ミリ以下の細線や、小さな文字が入っている場合は要注意です。少し太らせておくと、仕上がりが安定します。

同じデータでも、Tシャツで刷ったときとパーカーで刷ったときで見え方が変わる。ここは実際に並べてみないと実感しにくい部分です。細かい表現を大事にしたいなら、あらかじめ相談してもらえれば線幅の調整を含めて提案できます。

ポリエステルが多いと色移りに注意

ポリエステルの割合が高い生地は、熱を加えたときに生地側の染料が動くことがあります。プリントの白が薄いピンクに転ぶ、といった現象です。

対策のある加工を選べば防げるので、混率が高い生地を使うなら、発注時に「ポリエステル◯%」と伝えておくとスムーズです。フルカラーで刷りたい場合の選択肢はDTFプリントの仕組みと特徴にまとめています。

刺繍を入れるなら生地の厚みを見る

パーカーは生地が厚いぶん、刺繍との相性は良好です。胸元にワンポイントを入れるだけで、ぐっと締まった印象になります。

ただし裏起毛の生地に細かい刺繍を入れると、毛が糸の間から出てきて輪郭がぼやけることがあります。線の細いデザインは避けるか、下地を敷く指定を。刺繍の種類ごとの違いは刺繍の技法と選び方で紹介しています。

発注前に決めておくと早いこと

生地以外にも、パーカー特有の確認項目があります。ここが曖昧だと見積もりが一度で出せません。

3つだけ挙げておきます。

前開きかプルオーバーか

ジップアップ(前開き)とプルオーバー(かぶり)で、プリントできる範囲が変わります。

ジップは前身頃が左右に割れるので、胸の中央に大きな絵柄を入れることができません。フロントに大きく入れたいならプルオーバー、脱ぎ着のしやすさ優先ならジップ。この二択です。

フードの形と紐の色

フードの深さ、紐の有無、紐の色。細かいようですが、写真映えに直結します。

学校で使う場合は、安全上の理由で紐なしを指定されることも。事前に確認しておくと安心です。

サイズ展開と人数の内訳

パーカーはTシャツより1サイズあたりの余裕が少なめ。中に何を着るかで体感が変わるので、サイズ見本を先に確認できると失敗が減ります。

団体で作るなら、サイズごとの人数を先に集めておいてください。この情報があるだけで、見積もりと納期の精度が上がります。

秋冬のパーカーは、メーカー側の在庫が動く時期でもあります。人気の色とサイズから先に品薄になるので、サイズの内訳が固まらないまま日数が過ぎると、選んだボディが欠品になることがあります。着用日から逆算して、早めに数を押さえておくのが結局は近道です。

まとめ

パーカーの素材選びは、裏毛か裏起毛か、厚みはどのくらいか、混率はどうするか。この3段階で進めれば迷子になりません。

秋から冬の室内中心なら裏毛の10oz前後、真冬の屋外中心なら裏起毛。団体で作るなら混紡を選んでおくと、洗濯による差が出にくくなります。

生地が決まっていない段階でも大丈夫です。お問い合わせの種別には「まずは情報収集がしたい」があるので、用途と人数だけ伝えていただければ候補をお出しします(2営業日以内に返信)。加工方法ごとの対応素材は対応可能加工に一覧で載せています。

BESTPLAY

この記事の監修

有限会社BESTPLAY

1978年創業。マーキング加工のプロフェッショナルとして、シルクスクリーン印刷・刺繍・DTF・インクジェットなど多彩なプリント技法で、スポーツウェア・イベントグッズ・オリジナル商品の制作を手がけています。

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