「自分用に1個だけ作りたい」。
推しのイラストを入れたトートバッグ、友人へのプレゼント、サークルの記念品。個人で、しかも1個だけという発注は、少し前まで受け付けてもらえないことがほとんどでした。
いまは事情が変わっています。版を使わないプリント方式が普及したことで、1個からでも同じ品質で作れる環境が整いました。法人でなくても、まとまった数を用意できなくても、問題なく注文できます。
この記事では、なぜ1個から作れるようになったのか、どんなアイテムが選べるのか、そして費用の考え方と依頼の流れをまとめました。
オリジナルグッズは1個から個人でも作れる?
作れます。版を使わないプリント方式であれば、1個でも100個でも同じ工程で制作できるためです。
法人でなければ注文できない、といった制限を設けていないところも増えました。個人名での発注や、自宅への配送にも対応しているサービスが選べます。
版を使わない方式が普及したから
かつて主流だったシルクスクリーンは、色ごとに「版」を作る必要がありました。版代が最初にかかるため、1個だけ作ると単価が跳ね上がります。
いま小ロットで使われるのは、DTFプリントやUV印刷といったデータから直接プリントする方式です。版を作らないので、1個でも工程が変わりません。
デジタルで印刷するため、写真やグラデーションもそのまま再現できます。仕組みの詳細はDTFプリントとは?にまとめました。
関連記事: 短納期でオリジナルグッズを作るための4つのポイント
1個だと割高になる?費用の考え方
1個あたりの単価で見れば、まとめて作るより高くなります。ただし総額で見れば数千円規模に収まることが多く、「試しに作ってみる」ハードルは低いはずです。
費用は「アイテムの本体価格+プリント代」で構成されます。数量が増えても1個あたりがあまり下がらないのが、版を使わない方式の特性です。
見落としやすいのが送料。1個だけの注文だと、商品代に対して送料の比率が相対的に大きくなります。複数種類をまとめて注文すれば送料は1回分で済むので、作りたいものが複数あるなら同時に頼むほうが総額を抑えられます。
逆に言えば、10個を超えるあたりから他の方式と比較する意味が出てきます。まずは1個作って仕上がりを確かめ、良ければ追加する。この進め方が現実的です。
関連記事: オリジナルグッズを小ロット・1個から作る費用と個数の目安
1個から作れない加工もある
すべての加工が1個に対応しているわけではありません。
シルクスクリーンは版代がかかるため、少数だと割高になります。刺繍は1個から可能ですが、データを刺繍用に変換する「パンチング」という作業が別途必要になることがあります。昇華転写も1個から作れますが、ポリエステルの白〜淡色生地に限られます。
作りたいものが決まっているなら、その素材とデザインに対応した方式があるかを先に確認しておくと確実です。
オリジナルグッズ1個から作れるアイテムの種類
アパレル、布小物、アクリル・紙ものの3系統が中心です。それぞれ得意な加工方式が違います。
関連記事: グッズの種類ごとの特徴と選び方
アパレル(Tシャツ・パーカー・トート)
Tシャツ、パーカー、ポロシャツ、トートバッグ。DTFプリントなら綿でもポリエステルでも、濃色の生地でも対応できます。
プリント面積が広いので、デザインをしっかり見せられるのが利点。初めて作るなら、まずはこの系統が失敗しにくいです。
生地の厚みや素材で着心地が変わるため、オリジナルTシャツ素材の完全ガイドもあわせて確認してみてください。
布小物・雑貨(ポーチ・タオル・巾着)
ポーチ、タオル、巾着、ハンカチ。サイズ展開を考えなくていいので、選ぶのが楽な系統です。
タオルは素材によって印刷の再現性が変わります。細かい文字やグラデーションを入れたい場合は、生地の織り目が影響しないか確認しておくと安心です。
アクリル・紙もの・ステッカー
アクリルキーホルダー、アクリルスタンド、缶バッジ、ステッカー。推し活グッズの中心にいる系統です。
UV印刷という方式で、アクリルや金属に直接プリントします。1個から作りやすく、単価も抑えやすいのが特徴。細かい絵柄も再現できます。
アクリルスタンドは「立てて飾る」前提なので、台座の設計とキャラクターの切り抜き方で印象が変わります。完成イメージを先に固めておくとスムーズです。
1個から作るなら何を選ぶと失敗しにくい?
面積の大きいアイテムを選び、色数を絞る。この2点を意識すると、初めてでも仕上がりが安定します。
最初は面積の大きいアイテムから
小さいアイテムほど、デザインの細部が潰れやすくなります。缶バッジやキーホルダーは可愛いのですが、細い線や小さな文字は再現に限界があります。
トートバッグやTシャツなら、プリント面積が広いぶん失敗が少ない。1枚目は大きい面から試すのが安全です。
デザインが小さいアイテムでも通用するかは、実際に縮小して確認してみてください。スマホの画面上で名刺サイズくらいまで縮めて、まだ読めるか、形が判別できるか。ここで潰れるようなら、線を太くするか要素を減らす必要があります。
写真を使うなら方式を確認する
写真やグラデーションを使いたい場合、対応できる方式が限られます。
DTFプリントやUV印刷ならフルカラーで再現できますが、シルクスクリーンやカッティングシートには向きません。「写真をそのまま使いたい」と伝えたうえで、対応可能か確認してください。
おしゃれに見せるなら色数を絞る
これは実感として確かなのですが、色数を減らしたデザインのほうが仕上がりが締まります。
配色を2〜3色に絞る。フォントを1〜2種類に統一する。余白を大きめに取る。この3つを守るだけで、素人っぽさがかなり消えます。
たくさんの色を使ったほうが華やかに見える気がしますが、実物にすると散らかった印象になりがちです。画面上では気にならなかった色の組み合わせが、布の上では喧嘩して見えることもあります。
余白も重要です。デザインを大きく配置したくなりますが、上下左右にゆとりを持たせたほうが洗練されて見えます。プリント位置も、胸元にワンポイントか、背面に大きく一枚か、方向性を決めてから配置を詰めていくと迷いません。
デザインのコツはオリジナルグッズのデザインのコツ5選にまとめました。
1個から作る流れ|依頼から納品まで
デザインの用意、見積もり、入稿、制作。この4ステップです。難しい工程はありません。
Step1 デザインデータを用意する
スマホで描いたイラストでも、写真でも構いません。ただし解像度が足りないと、プリントしたときにぼやけます。画面で見たときは綺麗でも、実寸に引き伸ばすと粗さが出るので注意してください。
いちばん多い失敗が、背景の透過忘れです。デザインの周りに白い背景が残っていると、その部分も白いインクで印刷され、四角い白フチが付いた仕上がりになります。PNG形式で背景を透明にしておくのが基本です。
もうひとつ気をつけたいのが色の見え方。画面は光で色を出し、印刷はインクで色を出すため、そのままでは印象が変わります。特に鮮やかな青や緑は、印刷すると少し沈んで見えることがあります。
データの作り方は入稿データの作り方ガイドで詳しく解説しています。
Step2 見積もり・注文と入稿
作りたいアイテム、数量、デザインを伝えて見積もりを取ります。この段階で「1個から可能か」「その素材に対応しているか」を確認しておきましょう。
問題なければデータを入稿します。データ形式に不安があるなら、事前に相談すれば対応してもらえることが多いです。
Step3 制作から納品まで
入稿後、内容を確認して制作に入ります。納期はアイテムと数量によりますが、小ロットなら比較的短く済むことが多いです。
イベントや誕生日など締切がある場合は、逆算して余裕を持って発注してください。データの修正が入ることも見込んでおくと安心です。
依頼先を選ぶときは何を確認する?
対応アイテム、費用と納期、サポート体制。この3点を見ておけば大きく外しません。
1個から受けているか、その素材に対応しているか
「小ロット対応」と書かれていても、実際の最低ロットは確認が必要です。作りたいアイテムと素材が対応範囲に入っているかも見ておきましょう。
総額と納期を先に確認する
単価だけでなく、送料や手数料を含めた総額を確認してください。1個の制作では、送料の比率が相対的に大きくなります。
データのサポートがあるか
初めて作る場合、データ形式で迷うことがよくあります。「このデータで大丈夫か」を事前に見てもらえるかどうかは、実際に発注してみると大きな差になります。
問い合わせの段階で、データについて質問したときの返信の丁寧さも判断材料になります。
BESTPLAY では、版のいらない加工を使って1枚・1個からの制作にも対応しています。個人の方の単品制作もご相談ください。
まとめ|まずは1個作って確かめてみる
オリジナルグッズは、個人でも1個から作れます。版を使わないプリント方式が普及したことで、単品でも同じ品質で制作できる環境が整いました。
選ぶときのコツは、面積の大きいアイテムから始めて、色数を絞ること。この2点を意識するだけで、初めてでも仕上がりが安定します。
そして1個だけ作るときは、単価ではなく総額で判断してください。試作として1個作り、仕上がりを見てから枚数や種類を広げていく。無理のない進め方です。
1枚・1個からの制作も、まとまった数量やオリジナル仕様でのご相談も、お問い合わせからどうぞ(2営業日以内に返信)。加工ごとの特徴は対応可能加工にまとめています。
対応している加工方法や設備は対応可能加工に掲載しています。
