オリジナルTシャツ素材の完全ガイド 生地の種類と厚み(オンス)の選び方

オリジナルTシャツを制作する際、デザインと同じくらい重要なのが「ベースとなるTシャツ(ボディ)選び」です。インターネットで検索すると、「5.6オンス」「天竺(てんじく)」「リングスパン糸」など、聞き慣れない専門用語が数多く並んでいます。

「どれも同じTシャツに見えるけれど、何が違うの?」

「洗濯してすぐにヨレてしまうのは避けたい」

「結局、自分の用途にはどれが一番合っているの?」

こうした悩みを解決するために、本記事ではオリジナルグッズ制作の現場で使われているTシャツの素材、編み方、そして厚みの基準である「オンス」について徹底的に解説します。2026年現在の最新トレンドも踏まえ、あなたが理想の一着を作るための「素材選びの教科書」としてご活用ください。

Tシャツの厚みを決める「オンス(oz)」の正体

Tシャツの商品説明で必ず目にする「オンス(oz)」。これは生地の「厚さ」を表す単位だと思われがちですが、正確には「面積あたりの重量」を指します。

オンスとは?重量が厚みの指標になる理由

1平方ヤードあたりの重さが何オンスあるかを示しており、1オンスは約28.35グラムです。同じ面積であれば、重ければ重いほど糸が太かったり、密度が高かったりするため、結果として「オンスの数字が大きい=生地が厚い」という解釈になります。

厚み別の特徴とおすすめの用途

オンス範囲区分特徴と主な用途
3.0 – 4.5 oz薄手(ライトウェイト)軽くて通気性が良い。イベントのバラマキ用やインナー、夏場の重ね着用。
5.0 – 5.6 oz中肉(スタンダード)最も一般的な厚み。 適度な耐久性があり、1枚で着ても安心感がある。チームウェアの定番。
6.0 – 7.5 oz厚手(ヘビーウェイト)タフで肉厚。ストリートブランドのボディや、長く愛用したいアパレルグッズに。
8.0 oz 〜超厚手(スーパーヘビー)スウェットに近い重厚感。透け感ゼロ。独特の硬さ(シャリ感)を楽しむ上級者向け。

白Tシャツの「透け」を防ぐ境界線

オリジナルTシャツで最も多い失敗が「白い生地を選んだら、インナーが透けてしまった」というケースです。一般的に「5.6オンス以上」であれば、白地でも透けにくく、1枚で着用しても清潔感を保つことができます。逆に4.0オンス以下の白はかなり透けるため、インナーとしての利用を前提とするのが無難です。

知っておきたい代表的な「繊維」の種類

オンスが「厚み」を決めるなら、繊維の素材は「肌触り」と「機能性」を決めます。2026年現在、オリジナルTシャツで主に使われるのは以下の3種類です。

綿(コットン)100% - 王道の着心地と質感

天然繊維ならではの優しい肌触りと、優れた吸湿性が特徴です。

メリット: 静電気が起きにくく、肌が弱い方でも安心して着られます。また、インクの馴染みが良いため、シルクスクリーンプリントとの相性が抜群です。

デメリット: 洗濯後に乾きにくく、シワになりやすい面があります。また、激しい運動で大量の汗を吸うと重くなり、体温を奪う原因になることもあります。

ポリエステル100% - スポーツ・ドライTシャツの代表

石油を原料とした合成繊維です。

メリット: 速乾性が極めて高く、洗濯しても型崩れしにくいのが特徴です。発色が非常に良いため、昇華転写プリントを行う場合は必須の素材となります。

デメリット: 独特の光沢があり、普段着としては好みが分かれます。また、乾燥する季節には静電気が起きやすくなります。

混紡(ポリエステル×綿) - 両者の「いいとこ取り」

綿の風合いを残しつつ、ポリエステルの速乾性や耐久性を加えた素材です。

TC(ティーシー): テトロン(ポリエステル)とコットン。シワになりにくく、制服やポロシャツによく使われます。

CVC(シーブイシー): チーフ・バリュー・オブ・コットン。綿の割合を50%以上高めた素材で、綿の肌触りを重視しながら強度を高めています。

編み方(組織)で変わるTシャツの表情

素材が同じでも、糸の編み方が違うと見た目や機能が大きく変わります。

天竺(てんじく) - 最もポピュラーな平編み

いわゆる「普通のTシャツ生地」です。表側はV字型の網目、裏側は横方向の網目に見えるのが特徴です。

用途: Tシャツ、タンクトップ。

特徴: 横方向への伸縮性に優れ、表面が平らなためプリントが綺麗に載ります。

鹿の子(かのこ) - ポロシャツの定番

表面に凹凸(凸凹)がある編み方で、鹿の子供の背中にある斑点に似ていることから名付けられました。

用途: ポロシャツ。

特徴: 肌に触れる面積が少ないため、通気性が良く、ベタつきにくいのが魅力です。高級感があり、刺繍加工との相性が非常に良い素材です。

リブ(フライス) - 高い伸縮性

ゴム編みとも呼ばれ、非常に高い伸縮性を持ちます。

用途: 襟元(ネックライン)や袖口。

特徴: 体にフィットするレディースTシャツの本体生地としても使われます。

糸の種類が品質を左右する:カード糸からコーマ糸まで

中上級者が見るべきポイントは、オンスの数字だけでなく、使われている「糸の質」です。

カード糸 - コスト重視

不純物を取り除く「カード工程」のみを経た糸です。短繊維が含まれるため、やや毛羽立ちがあり、ラフな風合いになります。イベント配布用などコスト優先の際に選ばれます。

コーマ糸 - 高級アパレル仕様

カード工程の後、さらに短い繊維を徹底的に取り除く「コーマ工程」を経た糸です。

特徴: 毛羽立ちが極めて少なく、艶(つや)のある滑らかな肌触りになります。何度も洗濯しても表面が毛玉になりにくく、プリントの発色も一段と美しくなります。

リングスパン糸 - 耐久性と柔らかさ

糸に強い撚(よ)りをかけながら紡いだ糸です。手触りが柔らかく、洗濯への耐性が強いのが特徴で、アメリカンスタイルのタフなTシャツによく使われます。

【重要】素材とプリント手法の相性チャート

せっかく選んだこだわりの素材も、加工方法を間違えると台無しになります。2026年現在の主要技術との相性をまとめました。

Tシャツ素材シルクスクリーンDTFプリント昇華転写刺繍
綿100%(厚手)◎(最高)◎(良好)×(不可)◎(映える)
綿100%(薄手)◯(標準)◯(標準)×(不可)△(生地負け)
ドライポリ100%△(インク浮き)◎(相性抜群)◎(専用)◯(標準)
撥水ナイロン等×(剥離)◯(専用糊必須)×(不可)◎(おすすめ)

「薄手のTシャツに大きな刺繍を施すと、糸の重みに生地が耐えきれず、首元がダルンと伸びてしまう『生地負け』が起こります。刺繍を楽しみたいなら、最低でも5.6オンス以上の生地を選ぶのが鉄則です。」

2026年のトレンド - 「サステナブル素材」と「オーバーサイズ」

最後に、現在のオリジナルグッズ市場で注目されているキーワードをご紹介します。

エシカル・サステナブル素材の浸透

2026年、多くの企業やクリエイターが「オーガニックコットン」「再生ポリエステル(リサイクル素材)」を積極的に採用しています。

特に、廃棄ペットボトルを原料としたリサイクルポリエステルは、従来のポリエステルと遜色ない機能性を持ちながら、「環境に配慮している」というメッセージをグッズに込めることができます。

ビッグシルエット(オーバーサイズ)の定着

タイトなTシャツよりも、肩のラインが落ちた(ドロップショルダー)ゆったりとしたサイズ感が現在のスタンダードです。

こうしたボディは、単にサイズが大きいだけでなく、「身幅は広いが着丈は長すぎない」といった絶妙なバランスで設計されています。厚めの生地(6.0オンス以上)と相性が良く、高級感のあるアパレルラインを展開する際に選ばれています。

迷ったら「5.6オンスの綿100%コーマ糸」を選ぼう

ここまで様々な素材や厚みについて解説してきましたが、初めて作る方にとっての「間違いのない正解」は、5.6オンスの綿100%(コーマ糸使用)のTシャツです。

  • 白でも透けにくく、1枚でサマになる。
  • プリントが美しく載り、洗濯にも強い。
  • 老若男女、誰が着ても「安っぽさ」を感じない。

このスタンダードを基準に、スポーツ用なら「ドライポリエステル」、こだわりを出すなら「ヘビーウェイト」へと選択肢を広げてみてください。

どのボディを選べば良いか迷われたら、ぜひお気軽にご相談ください。BESTPLAYの商品カタログ対応可能加工も参考になります。

BESTPLAY

この記事の監修

有限会社BESTPLAY

1978年創業。マーキング加工のプロフェッショナルとして、シルクスクリーン印刷・刺繍・DTF・インクジェットなど多彩なプリント技法で、スポーツウェア・イベントグッズ・オリジナル商品の制作を手がけています。

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