オリジナルTシャツやバッグを作りたいけれど、デザインの色数が多くて費用が高くなってしまった。あるいは、1枚だけ作りたいのに最低注文枚数の壁に当たってしまった——。そんな経験はありませんか?
こうした「小ロット・多色デザイン」の悩みを一気に解決し、2026年現在のウェアプリント業界で主役に躍り出たのが「DTFプリント(Direct to Filmプリント)」です。
今回は、最新のプリント事情を交えながら、DTFプリントがなぜ選ばれるのか、その秘密をプロの視点で解き明かします。
デジタルプリントの革命児:DTFプリントの正体とは
DTFプリントは、日本語では「オンデマンド転写」や「フィルム転写」とも呼ばれます。2020年代に入ってから急速に普及した比較的新しい技術ですが、2026年現在では「高品質プリントの代名詞」として定着しています。
プリントの仕組みを分かりやすく解説
DTFプリントのプロセスは、以下の3つのステップで成り立っています。
- 専用フィルムへの印刷: 高性能なインクジェットプリンターを使い、特殊なフィルムにデザインを印刷します。この際、カラーインクだけでなく、最後に「白インク」を重ねて印刷するのがポイントです。
- パウダー塗布と熱処理: 印刷されたインクが乾かないうちに、接着剤の役割を果たす「ホットメルトパウダー」を振りかけます。これを熱で融解させることで、フィルム上に「転写シート」が完成します。
- 生地へのプレス: 完成したシートを生地の上に載せ、専用のプレス機で熱と圧力をかけます。冷めてからフィルムを剥がすと、デザイン部分だけが生地に定着します。
この仕組みの最大の特徴は、「版を一切作らない」という点です。これにより、データさえあればすぐにプリント工程に入れるため、驚異的なスピードと低コストが実現しました。
なぜ選ばれるのか?DTFプリントが持つ4つの圧倒的なメリット
従来のプリント手法と比較して、DTFプリントには無視できない4つの強みがあります。
色数の制限なし!写真もグラデーションも自由自在
シルクスクリーンのように「1色ごとに版を作る」必要がありません。CMYKのフルカラーインクで印刷するため、風景写真や繊細な水彩画風のイラスト、滑らかなグラデーションも、PCモニターで見る鮮やかさそのままに再現できます。クリエイターの方々が描く、複雑な色使いのキャラクターデザインも、DTFならその魅力を損なうことなくカタチにできます。
1枚からでも低価格!在庫リスクをゼロに
版代がかからないため、1枚だけの注文でもコストが跳ね上がることがありません。
「自分へのご褒美に1枚だけ」「プレゼント用に3枚だけ」といった個人のお客様のご要望はもちろん、「まずは1枚試作して、反応を見てから増産したい」というショップオーナー様にとっても、これ以上ない選択肢となります。
驚くほどの伸縮性と耐久性
かつてのアイロン転写シートなどは、洗濯を繰り返すとバリバリに割れたり、剥がれたりすることがありました。しかし、最新のDTFプリントは非常に薄く、伸縮性に富んだ接着層を持っています。
生地を引っ張ってもプリントが一緒に伸び、洗濯耐性も非常に高いため、日常生活でガシガシ着回すTシャツや、激しい動きのスポーツウェアにも安心して使用できます。
「カス取り」不要で、細部まで美しい仕上がり
従来の「カッティング転写」では、デザインの周りに不要なフィルムが残るため、手作業でそれを取り除く「カス取り」という工程が必要でした。そのため、あまりに細かい文字や、複雑に離れた点などのデザインは不可能とされてきました。
DTFは「インクがある場所にだけパウダーが付着する」ため、デザインの外側に余計なフチが出ることはありません。どんなに細い線や複雑な形状でも、カッターの刃が届かないような微細なディテールまで美しく表現できます。
素材を選ばない汎用性:綿からポリエステル、撥水ナイロンまで
BESTPLAYがDTFプリントを高く評価している理由の一つに、「対応素材の広さ」があります。
「お客様から『この素材にプリントできますか?』と聞かれた際、以前ならお断りせざるを得なかった撥水加工のジャンパーや、熱に弱い特殊な化学繊維。これらに対しても、DTFなら最適な温度調整で美しく定着させることができます。」
- 綿(コットン): 定番のTシャツやトートバッグ。相性は最高です。
- ポリエステル: スポーツ用のドライTシャツ。昇華転写と違い、黒やネイビーの濃色生地にもプリント可能です。
- ナイロン・撥水素材: コーチジャケットやウィンドブレーカー。これまではプリントが剥がれやすい素材でしたが、DTF専用の糊(パウダー)を使うことで克服しました。
- 混紡素材: 綿とポリエステルが混ざったパーカーやスウェットなども、色沈みを抑えて鮮やかに発色します。
従来のプリント手法との違いを徹底比較
自分に合った方法を選ぶために、他のデジタルプリント手法との違いを整理しました。
| 比較項目 | DTFプリント | インクジェット(DTG) | カッティング転写 |
|---|---|---|---|
| 発色の鮮やかさ | ◎(非常に鮮やか) | ○(生地に馴染む) | △(シートの色に依存) |
| 細かい表現 | ◎(非常に得意) | ◎(非常に得意) | ×(細かすぎると不可) |
| 濃色生地への対応 | ◎(白インクで発色) | △(前処理が必要) | ○(シートの厚みが出る) |
| 手触り・質感 | ○(薄くて柔らかい) | ◎(生地と一体化) | △(少しゴワつく) |
| 対応素材の幅 | ◎(ほぼ全て) | △(綿がメイン) | ○(標準的) |
インクジェット(DTG)は生地に直接インクを吹き付けるため、非常に柔らかい質感になりますが、ポリエステル素材への発色が難しいという弱点がありました。DTFは、その「柔らかさ」と「多素材への発色」を両立させた、まさにいいとこ取りの手法なのです。
BESTPLAYのこだわり 最新技術と「目利き」の融合
DTFプリントは機械で行う作業ですが、実は「誰が作っても同じ」ではありません。 BESTPLAYだからこそ提供できる価値があります。
素材とパウダーの最適解を見極める
生地の種類や色によって、最適なプレス温度や時間は微妙に異なります。どの生地にどの程度の圧力をかければ「最も剥がれにくく、かつ生地を傷めないか」を、素材ごとにデータとして蓄積しています。自社工場での一貫生産だからこそ、一点一点の検品を徹底し、職人の目で仕上がりを確認しています。
デザイナーの「こだわり」を具現化するデータ補正
お客様から送られてくるデザインデータには、稀に「プリントすると色が沈んでしまう」ようなケースがあります。BESTPLAYの制作チームは、DTFプリントの特性を考慮し、必要に応じて色の微調整やデータの最適化を行います。「送られたデータをただ印刷するだけ」ではない、一歩踏み込んだサポートが私たちの自慢です。
京都の自社工場から、スピーディーにお届け
外部の業者に委託することなく、京都市内の自社工場ですべての工程を完結させています。
「急なイベントで追加が必要になった」「試作を大至急確認したい」
こうした短納期のご相談に対しても、柔軟かつ迅速に対応できる体制を整えています。スピーディーな対応は、自社工場ならではの強みです。
erumina(エルミナ)で広がる「作る・売る」の新しいカタチ
DTFプリントの「1枚から作れる」という強みを最大限に活かしたサービスが、私たちの運営する「erumina(エルミナ)」です。
eruminaは、オリジナルグッズの受託・販売プラットフォームです。クリエイターの皆様からデザインをいただくだけで、在庫を持つことなくグッズ販売を始めることができます。注文が入るたびに、私たちの工場でDTFプリントを行い、直接お客様へお届けします。
- 在庫リスク・廃棄ロスをゼロに: 売れた分だけ作るため、環境にも優しく、赤字のリスクもありません。
- ファンとの関係構築: スポーツチームやアーティストの方が、限定デザインのTシャツを「必要な時に、必要な分だけ」届けることができます。
失敗しないためのデータ作成・注文のコツ
DTFプリントで最高の仕上がりを手に入れるために、以下のポイントを意識してみてください。
① 背景の透過処理を忘れずに
デザインの周りに白い背景が残っていると、その部分も白インクでプリントされてしまいます。ロゴやイラストの場合は、必ず背景を透明にしたデータ(PNGやAI形式)をご用意ください。もし透過処理が難しい場合は、弊社のスタッフがお手伝いすることも可能ですので、お気軽にご相談ください。
② 線の太さは「0.5mm」以上を推奨
DTFは非常に細かい表現が得意ですが、あまりに細すぎる線(髪の毛より細いような線)は、接着パウダーが十分に付着せず、洗濯時に剥がれやすくなる原因になります。0.5mm程度の太さを持たせることで、美しさと耐久性を両立できます。
③ お手入れは「裏返し・ネット使用」で
より長く愛用いただくために、洗濯時はウェアを裏返し、洗濯ネットに入れることをお勧めしています。また、プリント部分への直接のアイロン掛けは避け、当て布を使用してください。
あなたの「1枚の想い」に、最高の発色を。
DTFプリントは、これまで「仕方ない」と諦めていた多くの制約を解き放ちました。
「多色だから高い」「1枚だから断られる」「この素材には刷れない」
そんな時代はもう終わりです。
私たちは「ものづくりの心」を、この最新技術に注ぎ込んでいます。単なる印刷ではなく、手にした時の感動や、着るたびに誇らしくなるような品質を目指して。
『あなたの想いを、カタチに。』
その第一歩を、ぜひ私たちと一緒に作ってみませんか?初めての方も、デザインにこだわりたいプロの方も、お気軽にお問い合わせください。対応可能加工やご注文の流れもあわせてご確認ください。
